
6月はプライド月間と呼ばれていて、「同性愛者はじめLGBTQ等の性的マイノリティーの人権月間」として、様々な催しがあります。
「プライド(誇り)」と呼ばれるのには、「自分の性的指向や性的アイデンティティに誇りを持とう。人間の多様性を認めよう。さまざまなアイデンティティをもつすべての人を受け入れよう」というメッセージが含まれています。
アメリカでは、クリントン大統領が2000年に「6月を同性愛者のプライド月間」とし、2009年、オバマ大統領がそれを押し進めて「LGBTプライド月間」と宣言しました。

昨年はコロナ禍で行われなかったパレードが、2年ぶりに実施されたので行ってきました。
目次
6月のニューヨークはレインボーだらけ
プライドのレインボーは、6色の虹
6月のプライド月間は、ニューヨークのあちこちは、プライドの象徴であるレインボーカラーで溢れます。

1978年に(前年にゲイの権利活動家であるハーヴェイ・ミルク氏が市議に当選したことを受けて)サンフランシスコのゲイコミュニティでデザインされたもので、最初は8色だったのですが、印刷の技術的な理由で2色削られて6色になって定着したそうです。

パレードのコースの周りのストリートでは、たくさんのお店でレインボーグッズ、フラッグやTシャツ、小物等が売られています。


また、あちこちにレインボー背景で写真が撮れるようなフォトスポットもたくさん出現します。

パレードのコースに向かう途中、アイスクリームが無料で配布されていました。

プログレス・プライド・フラッグ

最近、LGBTQの多様性のシンボルとして世界的に用いられるようになっているのが、この「プログレス・プライド・フラッグ」です。6色のレインボーカラーに加え、シェブロン(「山形袖章」)の部分に白、ピンク、水色のトランスジェンダーカラーと、茶色と黒の人種的マイノリティを表すカラーがあしらわれています。右に向いたシェブロンは、進歩と運動の前進を表現するものです。白は、HIV/AIDSで亡くなった人の追悼の意味も込められているそうです。

2018年、ダニエル・クエイサーというデザイナーが、フィラデルフィアの人種的多様性を加味したレインボーフラッグにトランス・プライド・フラッグを加え、「プログレス・プライド・フラッグ」をデザインしたそうです。
昨年から今年にかけての Black Lives Matter や Asian Hate Crime の影響もあり、この人種の多様性が加えられたデザインが一気に広がりました。
今回のプライドパレードでも、この「プログレス・プライド・フラッグ」をかなり見ました。

チェルシーにあるGoogle社屋のロゴも、このプライド月間には「プログレス・プライド・フラッグ」カラーに。
こういった大企業も積極的に参加しているのが、アメリカのプライド月間の特徴です。

パレードに向かう途中で無料で配っていたスカーフも、人種多様性も入ったレインボーカラーでした。

プライドパレードはかなりの規模縮小...でも密!
例年であれば、28thストリート & 5thアベニューあたりからスタートし、8thアベニューまで南下して、歴史的な聖地とされている Stonewall Inn の前を通って折り返す形で7thアベニューを北上していく5kmくらいのコース。
今年は、規模を縮小したのか、5hアベニューを通ったあとは、Stonewall Inn のあるクリストファー・ストリートを数ブロック行ったら終わりの、いつもより短いコースのようでした。
それでも、この盛り上がり!

Stonewall Inn の前は鮨詰め状態のぎゅうぎゅうです。
向かい側から見るのがやっとでした。

今回初めて知ったのですが、NYC Pride Welcome Center というビジターズセンターがあり、そこにも人がたくさん。
入ってみたかったのですが、人が多くて、とても近づけなかったです。

パレードを歩く団体は例年に比べてかなり少なく、2019年には昼に始まったパレードが夜まで終わらないくらいのボリュームでしたが、今回は昼に始まって2時過ぎには終わっていました。



色鮮やかなレインボーファッション
パレードの規模は大きくなかったですが、街を歩くと、思い思いのレインボー・コーディネートをした人たちがたくさん。
まるでドレスコードがレインボーのファッションショーかのようで、街ゆく人たちを見るだけでも楽しかったです。










オマケ:知る人ぞ知る Gay Street
グリニッジビレッジには、「Gay Street」と呼ばれる通りもあります。
聖地 Stonewall Inn のすぐ近くの、住宅に囲まれた小さな路地ですが、お散歩がてら探してみるのも面白いかもしれません。

あっという間に終わってしまったパレードでしたが、パンデミックになって以来、久しぶりのお祭り騒ぎでとっても楽しかったです。
少しずつですが新しい日常が戻りつつあることを、肌で実感することが出来ました。
