

その前にバーンズ・ファウンデーションに行ったせいで、正直もうヨーロッパ界隈の現代アートはおなかいっぱいに。。
そんななかでも見どころいっぱいの美術館でした。
フィラデルフィア美術館とは
映画「ロッキー」のロケ地にもなった大規模美術館
フィラデルフィア美術館は、ペンシルベニア州フィラデルフィアにある、国内でも有数の美術館。
その壮大なコレクションと、映画「ロッキー」で有名な階段で知られている。

この美術館は、アメリカ芸術だけでなく、アジア、ヨーロッパ、ラテンアメリカの芸術作品も展示しており、その範囲は古代から現代まで広がっている。訪問者は、絵画、彫刻、工芸品、写真など、幅広いジャンルの作品を楽しむことができる。
アメリカ国内での規模としては、ニューヨークのメトロポリタン美術館やワシントンD.C.のナショナル・ギャラリー・オブ・アートに次ぐ規模を誇る。
世界的に見ても、ロンドンのテート・モダンやパリのルーヴル美術館と比べると小さいものの、コレクションの多様性と質で高い評価を受けており、その意味ではこれらの世界的な美術館と同等の重要性を持つと言えるでしょう。美術館の規模だけでなく、展示されている作品の種類や時代も幅広いため、アート愛好家にとっては見逃せない場所の一つ。
フィラデルフィア美術館の歴史
この美術館の歴史は1876年に遡る。
アメリカ独立100周年を記念し、アートと文化の促進を目的として建設された。数回の拡張を経て、今日見ることができる壮大な規模に成長した。
この長い歴史を通じて、フィラデルフィア美術館は、アートを通じて人々を教育し、啓発する場としての役割を果たしてきたとのこと。
およそ150年もの歴史ある立派な建物は、美術品を見る前から訪問者を圧倒してくる。

フィラデルフィア美術館はどこにある?行き方は?
ニューヨークからフィラデルフィア美術館へのアクセスは意外と簡単。
電車、バス、車のいずれかを利用することができる。
最も一般的な方法は、電車アムトラックで約1時間半で到着。駅から車で5分、徒歩だと30分ほど。
バスを利用する場合は、グレイハウンドやメガバスが提供するサービスを利用でき、費用も比較的安い。
車で行く場合は、I-95を北上するのが一般的なルートだ。
アムトラックのチケットは早めに購入すると、電車の時間帯やクラスによっては$10〜20で買えるチケットもあったりするので、かなり格安で行くことができる。
フィラデルフィア美術館の見どころ
見てまわる所要時間の目安
美術館の規模が大きいため、全てをじっくり見て回るには半日あってもよさそう。
時間が限られている場合は、主要な展示を中心に見て回ることで、2時間前後で概観することも可能だと思う。
美術館は広範囲にわたるコレクションを展示しているが、かなり分かりやすくカテゴリ別にエリアが分かれているので、自分の興味に応じてエリアを選んで見てまわることができる。
代表的な作品
フィラデルフィア美術館には、多くの有名な作品が展示されている。
まず、モネの「日傘をさす女性」や、ヴァン・ゴッホの「夜のカフェテラス」など、印象派の名作が多数。
また、マルセル・デュシャンの「大ガラス」や、トーマス・エイキンズの「手術教室」など、アメリカやヨーロッパの芸術史に重要な位置を占める作品も見ることができる。
館内マップに注目作品が☆印で記載されているので、そこを目指せば効率的にまわることも可能。
2F モダンヨーロピアンエリア(European Art 1850-1900)
外のロッキー大階段をあがって正面玄関を入ったら、そこは既に2階。
そのまま、まずは右手奥のモダン&コンテンポラリーエリアに行きたかったのだけど、そこに行くにはモダンヨーロピアンエリア(European Art 1850-1900)を通り過ぎる必要があり。
今回、その前に訪れたバーンズ・ファウンデーションでヨーロピアン現代アートの洪水を浴びてきた直後だったため、このエリアは足早に通り過ぎた。
それでも目に入ってくる巨匠の数々。。
モネ、ピカソ、フェルナン・レジェ、マティスなど、有名作品多数。









ピカソの「Three Musicains」はMoMAに出張中。
先日MoMAで見たが、このフィラデルフィア美術館から来ていたのかとココで知る。

2F モダン&コンテンポラリーエリア(Modern & Contemporary Art)
このエリアには、20世紀以降の作品が、ヨーロッパ・アメリカ問わず展示されている。
今回はこのゾーンを見に来たと言っても過言ではない。
ルネ・マグリットやキリコ、絵の具ぶち撒けるでお馴染みのジャクソン・ポロック、ウォーホルなど、現代アートが並ぶ。




1900年代、かなり最近の作品まで、幅広く展示されている。

MoMAでも、メトロポリタン美術館にもあり、コンテンポラリーアートの展示会場では必ずと言っていいほど目にする、サム・ギリアム(Sam Gilliam)のドレープペインティング、ここにもあった。
タイトルは「Dakar(ダカール)」。
サム・ギリアムが初めて展示をした地であるセネガルの首都の名前がつけられている。

「何を描くかより、どう描くか」でお馴染み、白い絵の具が大好物のロバート・ライマン(Robert Ryman)の作品も。
ニューヨークではグッゲンハイム美術館や、近郊ビーコンのDia Beaconでも彼の作品を見ることができる。
芸術の常識を覆した先駆者 マルセル・デュシャン(Marcel Duchamp)
2Fのモダン&コンテンポラリーエリアの奥のほうに、マルセル・デュシャンの部屋がある。

マルセル・デュシャン(Marcel Duchamp、1887年 - 1968年)は、20世紀初頭に活躍したフランスの画家、彫刻家、そして概念的な芸術家で、ダダイスムやシュルレアリスムといったアヴァンギャルド運動の先駆者として知られている。
芸術の慣習に挑戦し、その後の現代アートの発展に多大な影響を与えたらしい。
デュシャンの有名な手法として、「レディメイド」と呼ばれる概念がある。
これは、既製品の日用品や工業製品を芸術作品として取り上げるというもので、彼は物の本質や意味を問いかけ、観念的な芸術を追求した。
ここにある作品も、多くが既製品を芸術作品として展示しているものが多い。

デュシャンの最も有名な作品の一つは、「Fountain(噴水)」と呼ばれるもので、まさにそれがこのフィラデルフィア美術館の目玉の一つ。
これは、彼が1917年に制作した、排尿を模したとされる陶器の便器を逆さまにしたもので、そのままサイン(「R.Mutt」という偽名)を施したもの。
この作品は、芸術作品としての概念や芸術の定義を問い直す、いわば「芸術の究極の挑戦」だったそう。
その他にも、デュシャンは「The Large Glass(大ガラス)」という複合メディアの作品や、ヌードの絵画なども制作。
彼の革新的なアイデアや作品は、現代アートの方向性を大きく変え、多くの芸術家や文化に影響を与えたそうだ。
その、もう一つの有名作品「大ガラス」もここに!
過去に割れたこともあるが、デュシャンが時間をかけて復元したそうだ。

3F アジアエリア(Asian Art)
3F左手奥にはアジア美術のエリアがあり、一番奥のスペースには日本をテーマにした空間が作られている。
仏間や茶室など、日本の建築や文化を展示。





隣のロダン美術館のチケットの入場券もついてくる

フィラデルフィア美術館のチケットは、自動的に隣(といっても徒歩15分くらい)にあるロダン美術館の入場券にもなる。
2日間有効のようなので、せっかくなら両方訪れたい。
私も今回、フィラデルフィア美術館めぐりの3軒目として、ロダン美術館で締め括りとした。


