アメリカ在住の方にはお馴染み、今年もタックスシーズン真っ只中です。締切りであるタックス・デイも4月15日と1週間後に迫ってきている中で、ビザのステータスや仕事の給料額など細かい情報を記入していくことはやはり面倒会計事務所など様々なサービスに頼る人も少なくありません。
今回は、学生である私自身の経験などから、非居住者（ノンレジデント）、特にF1やJ1などで留学をしている学生向けに情報をお届けします。SSNを持っていない、収入を得ていない、という学生も要注意！確定申告義務を免除してもらうための書類やノンレジデント向けにおすすめのサービスをご紹介します！
専門的知識を必要としますので、詳しい情報については専門家にご相談ください。
タックス・リターン : アメリカの確定申告。日本と違い、会社が代わりに調節ということはなく、個人がそれぞれ申告する必要があります。
タックス・シーズン：納税者がそれぞれ書類を集め、作成し、提出しなければいけない期間。今年は2024年1月29日からIRS(アメリカ合衆国内国歳入庁)が確定申告を受け付け始めました。この期間内に、前年度(2023年1月1日から2023年12月31日)の1年間で納税義務があった収入に関しての書類を提出します。
タックス・デイ : 確定申告の締切日。祝日出ない限り毎年4月15日に定められています。
目次
居住者？非居住者？
確定申告では、居住者であるか・非居住者であるかによって、提出する書類が変わってきます。これは、レジデンシーに申請した、レジデントIDを持っているかではなく、保持しているビザであったり、滞在期間によって判断されます。自分はどちらの状態にあるのかを理解しておくことが重要になります。
基本的に、F・Jビザを保持する学生は非居住者（Non-Resident ）として考えられます。特に、F1ビザでは渡米した初めの５年間は自動的に非居住者になります。対して多くのJビザ保持者は初めの2年間のみ非居住者としてカウントされます。（詳しくは下の表をご覧ください。）Fビザで滞在期間が5年以上、またはJビザで2年以上になる場合は、実質滞在テスト（Substantial Presence Test）が居住者・非居住者になるかを決定します。
非居住者に確定申告義務はあるの？
上記の居住者・非居住者であるはの判別を踏まえて、「適応対象外（Exempt Individual）」である全てのノンレジデント・非居住者はフォーム8843を記入し提出する義務があります。
ここでの適応対象外（Exempt Individual）とは 、F・J・M・またはQビザで学術機関で学ぶことを目的として短期的に滞在している「学生」のことを指します。つまり、例を挙げると、滞在期間が5年以下で、F1ビザにより滞在している学生はフォーム8843の提出が必要となります。
フォーム8843とは、滞在日数を示すことで、非居住者かつ学生である状態を証明する書類です。IRSに自分が適応対象外（Exempt Individual）であることを書面で証明します。
ただし、非居住者で適応対象外に該当する場合でも、課税対象である収入を受け取った場合は例外なく確定申告義務があり、1040-NRといった書類などを提出しなければいけません。
課税対象の所得って？
所得（インカム）・収入の中にも課税対象であるものと、そうでないものがあります。課税対象で主な所得を上げますと、
- 給与収入（学内でのパートタイム、インターシップなども含む）
- 奨学金（授業料及び家賃など学業に関する出費以外を対象としたもの）
- 投資収益
- ギャンブル
- 家賃収入
- アートやデザイン作品の販売
これらは課税対象となり、例外なく確定申告を行う必要があります。
奨学金とありますが、授業料や家賃など学業に関する出費をカバーするためのものは課税対象に含まれません。また、アメリカ国外からの奨学金・仕送りも課税対象ではありません。
提出書類は？
収入がある場合は、詳細な情報を記載した書類を IRS に提出します。 それぞれの状況によって提出が必要なものは異なり、誰もが必要なわけではありませんが、主な収入に関する書類を例として紹介します。
W2
W2は雇用収入がある場合受け取る書類です。
１年間の賃金、給与、報酬の詳細な情報が記載されており、それぞれの雇用主から2024年1月31日までに受け取ります。
1042-S
課税対象の奨学金・給付金・援助を受けた場合に受け取ります。
奨学金が課税対象のものであり、授業料や家賃など学業に関する出費以外をカバーするためのものであった場合はこの書類を受け取るでしょう。
2024年3月15日までに受け取ります。
1099
雇用・奨学金などの収入以外で、
- 家賃収入
- 投資収入
- 報酬
- 個人事業主としての所得
これらの収入があった場合に受け取ります。
1099シリーズとも呼ばれ、1099-MISC、1099-DIV、1099-INT、1099-NECなどと収入の種類によってそれぞれ、3月の下旬ごろに受け取ります。
1098-T
他に受け取る書類として授業料を払う学生には、1098-Tというものがあります。
これは授業料明細書であり、学校にSSNを持つ生徒であれば、非居住者であっても、通常受け取る書類です。これは教育税額控除を請求するためのものですので、非居住者には関係ありません。
2024年確定申告の予定
下に簡単にスケジュールをまとめました！2024年タックス・シーズンのスケジュールになるためご注意ください。
| 1月29日 | タックス・シーズン開始 |
| 1月31日 | W2・1098-Tの提出期限。この日までに雇用主は従業員にW2を送ります。 |
| 3月15日 | 1042-Sの提出期限 |
| 4月15日 | タックス・デイ。税金の支払い期限。 また期間を延長するための申請書類を提出する場合もこの日が最終日となります。 |
| 10月15日 | 延長が認められた場合の最終締め切り |
おすすめのサービス
ここまでは基本的な情報を説明してきましたが、いざ実際に自分の状況に当てはめようとしても、ビザステータスから、滞在日数、収入の種類、金額、などなど、自分自身で判断するのは簡単ではありません。
そこで、留学生・F・J・M ・Qビザ保持者向けに開発された確定申告のためのソフトウェアサービスとしてSprintaxをご紹介します！
Sprintaxでアカウントを作ったのち、パスポート、I-94、I-20などビザの書類、全ての収入に関する書類などを用意し、記入欄を埋めていきます。全ての情報を入力するとすぐに書類を作成してくれて、連邦税（フェデラルタックス）には電子申告で（E-file)も対応しています。郵送での申告が必要な場合は印刷しサインするだけで完了です。州税にも対応しているのでこのソフトウェア一つで全て完了します。
多くの大学が留学生向けに勧めており、実際私の通っている大学も私たちがSprintaxのサービスを無料で使えるよう提携しています。24時間体制のチャットやYouTube上で確定申告のやり方についてレクチャービデオなどサービスも充実しています。
最後に
確定申告忘れやミスは後の在留資格応募時に影響が出ると言われています。H1Bや永住権などのアプライを考えている方は、学生で収入がない・少ないなどに関わらず、ぜひ紹介したSprintaxのサービスを使用したり、専門家に相談したりなどして確認をしてみてください！
